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探偵の探偵3
探偵の探偵、3作目です。難しい3作目。
1作目は立て続けに起こる冷たい衝撃に圧倒されているうちに終りました。
痛くて冷たくて刹那的なとても印象に残る作品。
2作目は心を凍らせていた主人公が、暴力にまみれた日常の中でどうにか人の暖かさに触れる事が出来るのか?
という、人の心に触れたいという片鱗を感じさせる描写が何とも切ないお話でした。
暴力と失望にまみれながらも真相を追求しようとする焦燥感が伝わってきました。


そして3巻目の本作。
…何か違うな、と。
妹の居場所をストーカーに教えた悪徳探偵を「死神」と名付け、尻尾を掴んだのが前巻までの流れ。
ネタバレし過ぎるので詳しく書けないのが実に苦しいところですが、行きつ戻りつの感が否めませんね。
スピード感、疾走感もダウン。
前巻までの「人の心に…」の流れからかもしれませんが、主人公にも迷いが見られる。
相変わらず頭は切れて、臨機応変の鬼!という雰囲気はあるものの、唯我独尊のバーサク状態が切れて、時折虚脱を伺わせますね。
このシリーズの持ち味だった「圧倒される」という印象が無くなってしまった気がします。


意外な展開に思える箇所もあるにはあるのですが、それすらも雑多な情報のせいで影が薄く感じます。
こうなると心配になってくるのが次の展開ですね。
この巻も悪かったわけじゃないのですが、1・2と印象深かっただけに、ここで終わりにしておけば「このシリーズは良かったな」と自分の中で良作判定出来るような気がしてしまいました。


 
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|松岡 圭祐 |comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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