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森博嗣  イナイ×イナイ PEEKABOO
「私の兄を捜していただきたいのです」美術品鑑定を生業とする椙田事務所を訪れた黒衣の美人・佐竹千鶴はこう切り出した。都心の一等地に佇立する広大な佐竹屋敷、美しき双子、数十年来、地下牢に閉じ込められているという行方不明の兄・鎮夫。そして自ら“探偵”を名乗る男が登場する。旧家で渦巻く凄惨な事件の香り…。新章開幕、Xシリーズ第1弾。 データベースより


Xシリーズの第1弾です。
家から出たことがないという美人双子が、幼い頃亡くなった筈の兄を探してくれと依頼。
舞台はお屋敷の地下牢。
横溝正史もかくや!?というような耽美なムードが漂う設定。
しかし、進行役の真鍋、小川の性格ゆえか、どこか淡々と進んでゆく。


作者の他の作品に比べてしまうと、何だか普通だな…という感覚を覚えましたが
確かに独特の雰囲気が、リズムがある。
「探偵」と称しているものの、主人公となって動く人物達は
探偵助手で、秘書。モノの運び方がいかにも素人くさい。
秘密の地下牢で殺人が起きる。しかも密室事件。
これだけ耽美な舞台設定がなされていると言うのに、主人公達は地下道探検の後
普通に談笑しつつ、お弁当を食べていたりする。
事件に遭遇しても、傍観気味と言うかグイグイ解決に導く…といった方法はとらない。
そこが普通の探偵モノと違い身近に感じられていいのかも知れません。


解決は遅々として進まないので、好みは分れそうですが
他シリーズの登場人物がちょこちょこ登場したり…次作が気になる終わり方でした。



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森博嗣   探偵伯爵と僕 
もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。 データベースより


主人公は、小学生の「僕」。
夏休みの宿題で日記を書いている…というスタイルで物語りは進んでゆく。


日常にふと登場した、伯爵と名乗る探偵。
伯爵の悠然とした態度や、ちょっと変わった言動に
「夏休みに秘密の友達が出来ました」という、ヒューマンっぽいお話かな?
と、僕と伯爵の会話のやり取りを楽しんでいるうちに、事件発生。
友達が行方不明に。


子供の目線で描かれているので、どこか淡々と客観的に事件は展開していく。
現実から遊離した、ふわふわと不思議な世界観の中で
主人公の「僕」が、大人とは?命とは?と、色々考えていくのがじつに面白い。


全体が見渡せるようになった終盤は、スピードあるハラハラな展開。
ラストのラスト。オチには驚かされました。


不思議な大人との出会いによるどこかファンタジックな世界に
ぴりっとミステリーを効かせた、夏休みの懐かしい空気感を思い出すような
とても面白い作品で、目を離せず一気に読み終わりました。



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森 博嗣  女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN
2113年の世界。小型飛行機で見知らぬ土地に不時着したミチルと、同行していたロイディは、森の中で孤絶した城砦都市に辿り着く。
美しい女王が統治する幸福で豊かな楽園のような国だった。そんな不満も恨みもあるはずない世界で空前の殺人事件が起こった。「女王の塔」の中で殺されていたのは王子。完全なる密室での、完全なる犯罪。誰が、どうやって、何のために…?僕とパートナのロイディは推理を開始する。しかし、楽園の住民たちはみな「殺人」の存在さえ認めない。「BOOK」データベースより


今まで読んだ森博嗣作品はミステリーばかり。
ファンタジーは好きだけどSFが苦手な私は、この長大なストーリーについて行けず、読みはじめは相当手こずりました。
最後は大どんでん返し!なるほど…こういう終り方か!いい裏切られかたでした。いっそ清々しい。これで一気に作品の評価が上がりました。この終りに出逢うために頑張って読んだんだなあ。


車の故障で遭難した「サエバ・ミチル」とウォーカロンと呼ばれる人型ロボットの「ロイディ」
助けを求め辿り着いた国は、100年もの間外の世界から遮断され、女王デボウ・スホが治める「ルナティック・シティ」だった。建国から100年、死者はただの一人もいない。貧富の差も無く、不満も争いも無い楽園。

そんな楽園でおこった殺人事件。全く事件を捜査しようとしない女王に、1人で躍起になって犯人探しをしているミチルが「なぜ?」と詰め寄るわけですが、その答弁が正に禅問答。


なぜ人を殺してはいけないのか?
人が人を裁けるのか?
秩序とは状況によって変化していくのだろうが、そもそも根拠は何なのだ?法律は安心のためだけにあるのだろうか?
女王の思想は理想だけど、所詮虚構だ。破綻は必至だ。
人間ならば大なり小なり、欲はあり、嫌いな人はいるはずで、争いが起きない訳が無い。悲しいけれどそれが現実なのではないでしょうか?


など、哲学的な事に思いを馳せてみたり…。実に深い。
最終的にどっぷり世界に浸ってました。
SF苦手なんだけど、続編もあるそうで?挑戦してみたいです。


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