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米澤 穂信   インシテミル
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。データベースより


文中に時折登場するコミカルな言葉遊びのためか、
ゲームの設定のわりに陰鬱で凄惨な雰囲気ではなく、どこか淡々と進んでいきます。


一貫して「暢気」と言われる主人公。
激する事は少なく「一歩引いて」事件を見ているので、劇的な動きがあるにもかかわらず
ストーリーは何処か淡白。
あまりの軽快さに「こんなに軽くていいのか?」と戸惑いますが
推理小説好きのマニア心をくすぐるような餌や仕掛けが
随所にばら撒かれているので、軽薄さに違和感を感じつつもを読み勧めてしまいます。


終盤から大きく展開が変わりますが、それが小気味好く
納得いかないうちに流されていた出来事も、皮肉やユーモア交じりで自己解決。
前半の「クローズドサークル」モノにしたら大いに物足りなく消化不良な内容を払拭してくれます。


納得できない箇所や設定を生かしきれていない部分
解決せずにうやむやで終わらせてしまった部分も多々ありますが
ミステリ好きの観点から自分達の行動を揶揄していくのが、なかなかにくい演出だな、と。
作者の自分突っ込みに思わず苦笑です。
終盤に面白さがあるのですね。なるほど。


テーマや着想に反して圧倒的に重厚さが足りなく、前半の「軽さ」を排除すれば
重く迫力のある作品になったかと思いますが
反面、この軽妙さが読みやすく、受け入れやすいのでしょう。
作者の特徴なのかもしれませんね。




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米澤穂信   ボトルネック
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。
不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。
もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。 データベースより


ジャンル分けが難しい…。本文解説には“青春ミステリ”と表記されていましたが。。
パラレルワールドに迷い込んでしまう主人公。ファンタジー色も濃い。

「あの時、ああしていれば」「あちらの選択を取っていれば」と、人生の分岐点において“こちらじゃなかったら”という度に現れるとされる、もう一つの世界。
主人公は大切なものを失って、自分が生まれなかった世界に飛び込んでしまうわけですが
居ないはずの人物との対峙、自分不在で成り立つ環境。
作品を通して、妙に漫画的な内容だなと感じました。


青春ミステリと言うだけあって、随所にいい年をした私には照れくさくなるような、「青い」描写があり読み進めるのが妙に恥ずかしかったりもしましたが
中盤からは「謎」を解こうと動き回ったり、揺れ動く高校生の内面に迫ったり…
共感したり、深さも感じますが、総じて少々消化不良。

疑問は多々あれど、含みを持たせる終わり方も、この作品にはあっているように思いました。



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