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恩田 陸 きのうの世界(下)
塔のある町が抱える秘密を住人たちは何も知らない。夜に塔を見てはいけないという町に伝わる不思議な教え。亀とハサミと天の川のステンドグラスが表す意味とは。殺された男は駅の掲示板に奇妙な貼り紙を持ち込み、誰かと連絡を取っていた。彼は町の秘密に触れてしまったのか。雨が降る。町の本当の姿が明らかになる。 データベースより
 

期待が大きいほど、肩透かしを食らったりする。
手品の種明かしと同じで、結果を知ってしまうと「なーんだ」と、今までの
ドキドキ楽しみにしていた気持ちが、急に色あせたりする。


本作も序盤のどこかゆがんだ世界観、何処に着地するのかわからないワクワク感
「恩田陸」という作家に対する安心感などが、ないまぜとなり
かなり期待して読み進めていました。
が、終盤の肩すかしが…


妙にファンタジックでいまいちすっきりしない出来。
仕掛けは大がかりで、映像にしたら一大スペクタクルになりそうな豚う設定で
動きは大きいけれど、感動は大きくない。


キーマンだった「謎の男」。
種明かし後の「男」の像がぜい弱で、ここにきてのファンタジーな展開に
少々がっかり…。。
現実にプラスされた独自の世界観が魅力的な作家さんですが
今回はそこを抜いて別の切り口で攻めた方が、作品の濃度が濃くなったような気がしました。



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|ア行(恩田 陸) |comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
恩田 陸   きのうの世界(上)
上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。一年後の寒い朝、彼は遠く離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。失踪後にここへやってきた彼は、町の外れの「水無月橋」で死んでいた。この町の人間に犯人はいるのか。不安が町に広がっていく。恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。 データベースより

 
恩田陸。
私の些細な読書人生において、屈指の作品を有する作家で
「人生観に影響を及ぼされたわー…」と感じるような作品も多々ありました。
ミステリーもファンタジーも青春モノもあまりハズレがないと言いますか、話の展開が独特。
バランスの取れた作品が多いかと。
定番のような作品でもどこか「恩田陸」というテイストを醸しだしていたり、
着想が一ひねりあって初めからどこに進むのか分からなかったり…
作品を手に取る上で、「恩田陸なら!」と、妙な安心感があります。


一見平凡な小さな町。
特徴といえば塔と水路。
いつの間にか居ついた謎の男性が死体で見つかる。
犯人はだれなのか?
なぜ住民は町のシンボル足り得る「塔」を意識の外に置いているのか?


本作も序盤が独創的。
発見される死体…という不穏な空気でスタートします。
じわじわとお話が進み、不可思議な世界観に包まれていきます。
どんなジャンルもこなす作家さんなので、何処に着地するのかどんな結末になるのか
予測が付きません!





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|ア行(恩田 陸) |comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
恩田陸  不安な童話
私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。強烈な既視感に襲われ、女流画家・高槻倫子の遺作展で意識を失った古橋万由子。彼女はその息子から「25年前に殺された母の生まれ変わり」と告げられる。時に、溢れるように広がる他人の記憶。そして発見される倫子の遺書、そこに隠されたメッセージとは…。犯人は誰なのか、その謎が明らかになる時、禁断の事実が浮かび上がる。 データベースより


いかにもおどろおどろしそうな題名であり、狙っている感が何となく鼻につき…
ストレートな題名が多いこの作者には扇情的表現は求めていないのだけど…と、
初めて読むときは中々手が進まなかったのですが
読み始めると、なるほど直球だな、と。


大学教授秘書の主人公は人の過去が見える能力を持っている。
25年前に美しい女性の画家が殺され、遺作展を見に行った主人公が
その画家の生まれ変わりかもしれないと指摘され
なぜ、誰にその作家が殺されたのか?と遺作である絵を傍らに
謎を解明していく…というストーリー。


ビジョンが見える特殊能力、生まれ変わり、探偵、美貌の画家、…
と、スパイスを盛り込みすぎて
肝心の作品のメインがぼやけてしまったような印象。
中盤までは、それらの複合的要素が波のように押し寄せるので
一体どんな展開に持っていきたいんだ?と文字通り不安になりました。

それでも、ラストには全てを集約しつつ、しっかり意外性の有る「オチ」をつける…
という展開に落とし、一味違った作品を読んだな…と感じさせるのは、
この作者の腕なのでしょうね。
 
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|ア行(恩田 陸) |comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
恩田陸  夜のピクニック
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。「BOOK」データベースより


何があるという訳ではない。人が殺されるとか、知らない世界に飛んでいくとか、そんな展開ではない。結果としては、学校行事で夜歩いて、秘密をうちあけただけ。でも、それが凄く面白い。ドラマチックで、どこかファンタジック。

内容はかなりヘビーなはずなのに、ちっともベタつかない。終始爽快で、どんどん続きが気になる。
なんだか凄く爽やか。とにかく爽やか。ミントでも石鹸でもない…うーん、グリーンノート系かな?そんな風が、さあー…っと吹いてくるような読後感でした。


2人称。最初はどうかな?と思っていたけど、最後の流れに至までがベストでした。
ラストは描き方に大感動。これが文章を構成するという事なんだ。
2人が交錯して、最後は1つになる。でも、それはナチュラルで、違和感も混迷もない。こんな描き方があるんだ…。恩田陸の妙技には、ただ脱帽。


当然といえば当然ですが、高校の時の「競歩大会」を思い出しました。
夜通しではないけど、朝8時から夕方5時頃まで歩き詰める。
私はなぜか30位以内にゴールしてしまい、後日運動部から盛んに勧誘された。
疲労感や、ランナーズハイ状態、足の痛み…もろもろ懐かしく蘇ってきました。
夜歩くのだったら、もっとゆっくりしただろうな。それこそ友人と。
夜歩く…。なんだか憧れます。今の教育体制じゃ難しそう。やっぱり歴史がないと、今からでは実現出来なそうな企画ですね。でも取り入れればいいのにな…、きっと何か大きなモノが残るのに…と、思ってしまいますね。


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|ア行(恩田 陸) |comments(4) | trackbacks(1) | pookmark |